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黒武者因幡の「歴史に鑑みて」

新潟在住の歴史ライター黒武者因幡が、時事問題を歴史に鑑みて感想を述べるブログです。

優生思想の亡霊から逃げろ!

相模原市福祉施設で元職員の男が入所者19人殺害した事件が、連日報道されています。この容疑者の男が「ナチスの思想に染まった」旨を供述しているようですね。

 

この「ナチスの思想」ですが、いわゆる優生思想です。劣った者には価値がないとして処刑していったナチスの行為を正しいと感じて犯行に及んだとされていますね。今の段階では。まあ、この後にいろいろ状況がわかってきくるとは思いますが。

 

この優生思想ですが、残念ながら人間から排除することは極めて困難です。

優生思想の表裏の関係にあるのは、差別意識です。そもそもナチスの語る優生思想は、アメリカに単を発しています。移民国家であったアメリカで、白人優位の偏った思想を権威づけるために唱えられたのが優生思想です。優れた者と劣った者を分け、劣った者は優れた者の支配を受け入れるべしという独善的な考えから出発しています。

 

これがドイツに渡って、第一次大戦の敗戦に喘ぐドイツに広まったのです。ナチスドイツの優生思想によって、障害者は劣った存在とされました。そして、今度は人種論に結びつきユダヤ人虐殺に結びついたのです。そして、恐るべきは、ナチスのユダヤ人への迫害を英米仏なども最初は特に非難していません。そこには、ユダヤ人はキリストを殺した連中という宗教的嫌悪感がありました。ゆえに、ユダヤ人弾圧をするドイツを最初は特に問題視しなかったのです。ただ、第二次大戦後、アウシュビッツベルゲン・ベルゼンなど収容所の惨劇が明らかになると、欧米は戦慄しました。『我らの心にある差別意識の先にある者は、人間性の崩壊と絶望だ』と悟ったのです。

 

以後、欧米では自分の心にある差別意識を封印すべく、ナチスを徹底的に封印します。欧米人は自らの心にある疚しさを封印したのです。

 

この亡霊は、今世界の至るところで出現しています。日本でもヘイトスピーチが問題になっています。

優生思想に興味を抱く人がいるなら、この問いを自らに突き付けてほしいです。

あなたは人の幸せを決めつけ、人の価値を決めけらるほど傲慢な人物なのか

自分の幸せを、自分の価値を他人に決めつけられる社会が望みなのか。

もし何者かに貴方が不要とされた場合、死を受け入れるのか

 

日本人は、多くのユダヤ人を助けました。シベリアポーランド孤児を助けました。弱い立場の人を命がけで助けきたのです。日本人は決して弱い人々を蔑み、迫害する人々ではありません。怯まず、優しい日本人であり続けましょう。