黒武者因幡の「歴史に鑑みて」

新潟在住の歴史ライター黒武者因幡が、時事問題を歴史に鑑みて感想を述べるブログです。

令和について

新しい元号が令和と発表されました。

この話題は、メディアだけでなく、様々なブログやSNSで記事になってますので、詳しくは書く必要はないでしょう。

 

令和について、某(それがし)はの感想は「感慨深いな」というもので候。

 

元号のそもそもの始まりは、大化の改新に遡ります。

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蘇我氏を滅ぼし、政治を大きく変えた大化の改新

 

中大兄皇子中臣鎌足らによる政治改革は、それまで豪族たちが力を奮う政治から天皇中心の政治に大きく変わっていきます。

 

このとき、中大兄皇子らが手本にしたのが、唐の律令政治でした。

また、元号の使用が継続的に使われるようになったのは、大宝からだと言われています。さらに、戦国時代の中で有名な元号といえば天正ですが、これは織田信長足利義昭を追放して、室町幕府を終焉させた年に改元しています。新しい時代の到来を天下に宣言したものでした。

 

元号は当初は「大化」などの具体的な理由にちなんだ文字を使っていましたが、やがて漢籍古典に由来するものを使用するようになります。

これも、中国王朝を手本とした日本文化の影響なのかもしれません。

こう考えると、日本文化は大きく外国の、特に中国の影響を受けてきました。

 

今回の令和は、そうした慣例を打破したもので、日本独自の万葉集由来の元号です。

これは、慣習を打破し、新しい日本を打ち立てようとする意識を現したものなのではないか、と感じたのです。

 

日本は古くから言霊の国でした。良い言葉を使えばよいことが起き、悪い言葉を使えば悪いことが起こるという意識は、まだ日本人には残っています。

 

この言霊の象徴として万葉集があります。身分にかかわらず、優れた歌を載せた万葉集は、歌の前ではみな平等、言霊の前ではみな平等であったことを示しています。この感覚は、日本独自のものでし

昨今は格差社会と言われていますが、それを是正し、令和がよき時代に、そして日本独自の良き社会をつくることに結びつくきっかけになればと祈っています。