歴史ソムリエ、お薦めの一冊
昨日、セブンイレブンで時間を潰してました。
最近では、立ち読みできないように雑誌や本に封をしているコンビニが多いですが、あれは残念ですね。
確かに定期的に購入している雑誌ならば意味があるのでしょうが、今、定期的に雑誌を購入している人がどれだけいるのでしょうか。
雑誌を売る方からすれば、きれいな状態を保って、購入する意欲を削がないようにしたい気持ちもわかるのですが、読む方からすれば特に決まった定期購読していない本は、中身を見ないと買うべきかどうか判断できず、手を伸ばさないわけです。
これも、きれいに読まないというマナー違反をする人が多いせいでしょうか。本を読む機会が減って、きれいに本を読めない人が多くなっている証なのでしょうか。
さて、そんな中、そのセブンイレブンでは、雑誌や本が立ち読みできました。
その際に見つけたのが、「読む年表 日本の歴史」(渡部昇一)です。
最初は期待してなかったんです。こうした本の類って、はっきり言って玉石混淆でして。タイトルに魅かれて手に取ると、……何だかなあ……と感じさせられる内容が多かったりします。
でも、この本は違いました。内容が単に言葉の開設だけでなく、その後の歴史に与えた影響まで言及している点が優れています。
例えば、1657(明暦3)年、水戸光圀「大日本史編纂開始」とあります。
普通はそこで終わりです。だから、みんな光圀の代で完結していると思ってしまいがちです。
でも、実際には、明治39年まで連綿と作業が続いているわけです。これに驚く人も多い。そして、水戸光圀が全国を漫遊していないことにも驚く人が多い(笑)
で、この本には、その事案や事件が、その後に与えた影響が記されています。
水戸は、この本の大日本史の影響で、朝廷を敬うべしという価値観が確立し、水戸は尊王攘夷の総本山になっていきます。そのことが、幕末に水戸藩出身の徳川慶喜が将軍になった際に、戊辰戦争で朝廷と戦わない姿勢につながっていく、など立体的に歴史を理解できる本になっています。
作者の主観などには、異論をはさみ多気持ちもわきますが、そこを除けばこれ、受験や勉強でも役に立つ本ですよ。
興味ある方、歴史を学びたい方にお勧めです。